キャプションなし

2018年4月24日(火)17:20~18:20 広島市立リハビリテーション病院にて職員研修が開催されました。昨年度に続き、今年度も高次脳機能障害についての研修講師として当法人がお話しさせていただく機会をいただき、当法人副理事長の中井克洋(広島メープル法律事務所弁護士)が講演しました。

 

演題は「後遺症に関する各種補償と診断書の基礎知識~高次脳機能障害を例として~」

まず、民事損害賠償の仕組みと考え方、自賠責・労災・障害年金の内容の違いについて説明をしました。障害年金は、症状が出ていることが明らかであれば事故との因果関係が証明できなくても認めてもらえるのに対し、自賠責や労災は事故の加害者に請求することを前提としているので事故との因果関係まで証明する必要があり、そのために画像上で頭部外傷による異常が確認できるか、事故後にある程度重篤な意識障害があったことが確認できるのかが重要な要素となることをお話ししました。自賠責、労災、障害年金からの補償をうけるために、いかに診断書が重要か、どのようなことに気を付けて診断書の基礎となる情報をリハビリや問診で収集したらよいかということについて説明をしました。特に、障害年金の診断書では、ひとりで生活することを前提として できる・できない を判断すべきと明示されていることを踏まえ、自賠責や労災ではその点が明確ではないものの、単純な動作だけでなく、ひとりで生活していけるのかという観点で判断してもらうべきなのではとお伝えしました。

当日は、西川新病院長をはじめ、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカー、事務の職員など多くのスタッフが参加されていました。90部持参した冊子「事故に遭ったら」が余りなく参加者の手元に配布されました。みなさん、医師が日々作成している診断書が補償においてどのような意味を持っているのか、どのような見方で作成するのが良いか、熱心に聞いてくださいました。障害年金では認定されても、自賠責や労災では認定されないことがあるのはなぜかという話は医療スタッフやソーシャルワーカーにとっても新鮮な情報だったのではないかと思います。病院長からは、大変有意義だったとの感想をいただきました。生活の経済的基盤となる補償内容を大きく左右する診断書は、医師にしか書けません。今回のような内容の講演をたくさんの医療関係者に聞いていただきたいと思います。